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【旧宿場町は和菓子天国 vol.2】小豆の栽培から作る、地産の風味たっぷりの和菓子<茶菓 山川>
東海道最大の宿場町だった「大津宿」を背景に、おいしい和菓子を作る店がたくさんある大津百町エリア。
気になる和菓子店をシリーズでご紹介します。
第二回目は、店主が大好きな商店街に店を構えたというあの和菓子店です。
自ら栽培した小豆で手作りする和菓子店<茶菓 山川>
アーケードが続く菱屋町商店街にある2017年にオープンした和菓子店<茶菓 山川>さんの看板商品、餅小豆270円。
実は、この小さな和菓子ひとつに滋賀県が誇る素材がたっぷりと詰まっているんです。
和菓子づくり一筋30年以上という店主の山川誠さん。
滋賀県高島市の出身ですが、和菓子を作り始めてからはずっと大津に住んでいます。
店から近い長等神社はよくでかけ、門前町でもある菱屋町商店街の雰囲気が好きで店を構えました。
山川さんは、生まれ育った自然豊かな高島に土壌づくりから手がけた畑を持っています。
販売する和菓子には自ら有機栽培する高島大納言小豆を使用。
小豆を炊くため高島市新旭町針江に湧く比良山系の伏流水をわざわざ汲みに行くそうです。
お餅には米どころ滋賀県が誇る羽二重糯米粉を使います。
餅小豆は、「滋賀県や高島市のいいものを大好きな町、大津で発信したい」という山川さんの思いがこもった銘菓です。
「大津 中町 中餅」194円は、大津市から「大津」、お店がある菱屋町、丸屋町と長等の3つの商店街の通称「ナカマチ商店街」から「中町」、中にはお餅が入っていることから「中餅」を関連づけた商品。
中のきな粉がまぶされた小さな四角のお餅4個は、道が十字に交差する「東海道の四つ辻」を表しています。
さらにパッケージはびわ湖のさざ波をイメージ。
県外に持ち出す時の“大津ストーリー”まで用意されたお土産の新定番として、地元の人の評判も高いお菓子です。
こちらのお店では購入だけではなく、和菓子のイートインもできます。
夏メニューのかき氷は行列ができるほどの人気ぶり。
茶道歴20年という山川さん。
お茶会のオーダー菓子も喜んで受けています。
店の前には、山川さんが骨董市で見つけた江戸時代の「御菓子」と書かれた看板が飾られています。
縁起物です。
店を開けるとお客さんが集まってきます。
見た目にもかわいらしい山川さんの和菓子はInstagramでも大人気。
現代の「地誌」、雑誌やSNSを通じて地元の方はもちろん旅行に訪れる人にも新たな大津百町名物は広がっているようです。