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【旧宿場町は和菓子天国 vol.4】”毎日のおやつ”のような和菓子を作り続ける<光風堂菓舗>
東海道最大の宿場町だった「大津宿」を背景に、おいしい和菓子を作る店がたくさんある大津百町エリア。
気になる和菓子店をシリーズでご紹介します。
第四回目は、歴史ファンも訪れるという和菓子店です。
幕末史に登場する「寺田屋」と深〜い関係⁉ <光風堂菓舗>
最近は「何日間、日持ちますか?」と尋ねられることが多くなったと困り顔で話す四代目の小南利光さん。
「うちのおまんじゅうは、(保存料など)何にも入っていないから早く食べてほしいんです」。と続けます。
昔ながらの製法にこだわるだけでなく、お菓子の価格もレトロなまま。
ご近所さんがその日に食べる分を買って、また明日も買いに来られるように。
<光風堂菓舗(こうふうどうかほ)>さんは「毎日のおやつ」を作る、町に愛されるおまんじゅう屋さんです。
創業時から人気の赤飯400円。お菓子と同じように、滋賀県産のもち米を使って毎日蒸します。
定番の和菓子に加え、新商品も誕生しました。
かりんとう饅頭110円は、黒砂糖や小麦粉で作った生地を練り、こしあんを包んで蒸してから油で揚げたおまんじゅう。
試行錯誤のすえに完成したカリカリとした歯ごたえの生地と中のあっさりとしたあんこが絶妙。
食べ歩きにもちょうどよいサイズとあって観光客にも好評です。
大津にある「道の駅 妹子の郷」で出張販売では、完売するほど大人気だとか。
生姜風味の皮にこしあんを包み、比良山に雪が積もった様子を表した「比良の暮雪」など、近江八景にちなんだお菓子はお土産にもおすすめです。
2013年、<光風堂菓舗>さんにニュースが飛び込んできました。ある調査から、お店が立っている場所には以前、「舛屋」という公事宿が建っていたことわかりました。
「舛屋」は、幕末志士の面倒を見ていたことで知られる京都伏見の船宿「寺田屋」の女将、お登勢の実家だというのです。
「寺田屋」といえば、坂本龍馬が奇襲にあった場所。
龍馬に関係が深い場所ということで「京都龍馬会」「近江龍馬会」により記念碑が建てられました。
そのニュース以後、全国から龍馬ファンが訪れるスポットに。
お登勢にちなんだお菓子、お登勢せんべい540円は龍馬ファンのために作った記念のお菓子。
お店があるのはアーケードが続く丸屋町商店街。
最近、活気を取り戻しつつある商店街です。
お店は改装されていますが、明治35年創業当時に使われていた看板や木型は今でも軒先に大切に飾られています。