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観光案内所スタッフ・ファンさんが案内する!はじめての大津百町さんぽ、おすすめスポット
はじめて訪れた旅先で一番頼りになるのは、なんといっても地域に詳しいローカルです!
今回は、大津駅観光案内所OTSURY(オーツリー)のスタッフで、台湾出身の瑞々しい感性を持つ、
ファン・ユ・チェンさんにセレクトを依頼。
「大津百町がはじめての方に絶対おすすめ!外国人の友達も喜んでくれます」という
ファンさんの偏愛スポットを案内してもらいました。
1.日本茶の魅力を味わう<中川誠盛堂茶舗>
1軒目は近江・朝宮茶のといえば、ココというくらい有名なお茶屋さん
<中川誠盛堂茶舗(なかがわせいせいどうちゃほ)>。
旧東海道沿いに立つ店舗からは、いつも炒りたて茶葉の香りが漂っています。
江戸時代、街道を行き交う旅人にお茶を販売したことがはじまりで、
その歴史は150年を超えるという老舗です。
店を訪れると淹れたてのお茶をいただけることがファンさんのお気に入り。
「日本茶の本当の美味しさをここで知りました。
作法や茶器、お茶の種類も台湾と異なることがとても興味深いです。
台湾では番茶が珍しく、私のお気に入りは「赤ちゃん番茶」ですね。
滋賀県甲賀産の茶葉を使い、お店で焙煎を行った安心・丁寧な商品です。
爽やかでとっても美味しいですよ。
海外から産地にわざわざ買いにくるくらい、
日本茶は今とっても人気なんです。連れてくると友人たちもとても喜びますね。」
<中川誠盛堂茶舗>には日常使いの「赤ちゃん番茶」から、
品評会受賞の最高級朝宮茶までオケージョンに合わせた様々なお茶が揃っています。
迷ったときはぜひお店の方へ相談を。
代々培ってきた確かなお茶への審美眼から、
味や価格帯などぴったりのものを紹介してくれます。
2.商店街で醸される大津おなじみの地酒<平井商店>
続いてはアーケードが続く商店街の一角にある<平井商店>さんへ。
大津市内に2軒残る造り酒屋の一つで、こちらも創業は360年以上前とかなりの老舗です。
店の正面はショップスペースとなっていて、その奥を覗くと、
建物はうなぎの寝床のように奥に続く昔ながらの町家づくり。
こんな街中で!と驚かされますが、酒造りは実際にここで行われています。
昔ながらの製法を受け継ぎ、小ロットながら丹精込めて作られる<平井商店>の日本酒。
口当たりが良く、だれでも親しめる味を目指しているのだそう。
お酒の飲めないファンさんに代わって、お店の方におすすめを聞いてみました。
いち押しは「浅茅生(あさじお)」の大吟醸(720ml¥2,350/画像左)、
山田錦純米吟醸(720ml¥1,709/画像中)、純米酒造り330年(720ml¥1,210/画像右)の3本。
「お店と観光案内所とのコラボ企画で、蔵見学ツアーなどを行うこともあります。
杜氏さんに酒造りのこだわりを紹介いただきながら、試飲なども楽しめるんです。
私はお酒が飲めないので、ひたすら聞くばかりなのですが…。笑
私個人は、酒屋さんに置かれた道具に興味がありますね。
酒樽や杉玉のデザインは素晴らしいです。
用途が全く分からなかったので、お店の方に尋ねるのも楽しい。
だれもが料理と一緒に楽しめる日本酒は、気軽なお土産にぴったりだと思います。」
3.祇園祭にそっくりな大津祭を知る<大津祭曳山展示館>
京都の夏と言えば祇園祭ですが、大津の秋は大津祭が定番。
13基の曳山(ひきやま)を曳いて街を巡行する姿はまさに、
祇園祭そっくりで、お隣京都の影響を受けた所以と伝わっています。
ローカルに尋ねると誰もがおすすめ!と答える大津祭へ、
実際に訪れて欲しいところですが、
普段は<大津祭曳山展示館>で祭りの雰囲気に触れることが出来ます。
「大津祭のカラクリには、ひとつ一つに物語があるところがとても興味深いです。
源氏物語や桃太郎伝説、能楽ゆかりのものなど様々。
展示館の解説を読んでおくとより楽しめると思います。
曳山の上でカラクリを演じる祭としては、大津祭が最も古いとも言われており、
実寸大の曳山模型でそのスケールを感じてみてください。
お囃子体験や大型スクリーンでの映像、本物の曳山装飾品の展示などを見学して、
お祭り気分を体感できます。
そして、なんといっても入館が無料なのが嬉しいですね!」
4.欅の立派な看板がトレードマーク<八百與>
風格の漂う看板がその歴史を語る漬物店<八百與(やおよ)>は、創業1850年。
起源を比叡山延暦寺や三井寺の御用頂きにはじまり、
大正3年には宮内省御用達となった老舗です。
店舗には宮内省から届いた手紙や注文書などが展示されており、
親しまれた歴史を感じることができます。
「いろいろな種類の野菜でつくる漬物は、
形が可愛らしくて見ているだけで楽しいです。
夏には小さなスイカの漬物もあるんですよ。これは台湾では見たことがありません!
粕で漬ける味はめずらしく、新鮮な味わいでしたね。」
漬物は毎日店舗の奥で仕込まれており、
名物の粕で漬けた「長等漬け(ながらづけ)」をはじめとし、
たくさんの季節の味が店頭に並びます。
春は菜の花、夏は水ナス、秋は日の菜などなど…
また冬は宮内省御用達となった千枚漬けが登場します。
えび豆やびわ湖本もろこ煮など、滋賀県らしい特産品も揃っているので、
風土の味を一挙に楽しむことができます。
5.懐かしくてモダンなお土産を<大津絵の店>
ラストは大津の民画・大津絵の作品づくりと販売を行う<大津絵の店>へ。
大津絵は、東海道随一の賑わいをみせた大津宿で、旅人たちに売られたお土産品でした。
風刺を交えたもの、美人画、鳥獣画など絵柄は様々で、
東の浮世絵にならぶ人気ぶりだったそう。
鮮やかな色と素朴なタッチで描かれる大津絵は、
純和風ながらもモダンな雰囲気を漂わせていて、
現代のデザインにもしっくり馴染みます。
「大津絵はシンプルにデザインが可愛らしくて好きです!
お気に入りは大津絵のマグカップです。
私が働く大津駅観光案内所OTSURY(オーツリー)でも一部取り扱っていますが、
たくさん種類が揃うのはやっぱりこのお店。
展示されている作品を見るだけでも価値があると思います。」
大津絵師の高橋松山さんが描く本格作品から、
版画印刷で気軽に購入できるものまでが揃う『大津絵の店』。
絵だけでなく、ひょうたん飾りや置物、陶器、
手ぬぐいなど身近な大津絵アイテムも手に入れることができます。
ファンさんが感じる、大津百町の魅力とは?
台湾から来日して3年目のファンさん。
青春18きっぷを切っ掛けに各地を旅した際、
地域の人の温かさに触れて観光ガイドの仕事を志したそうです。
そんなファンさんに大津百町の魅力について尋ねてみました。
「大津は自然の距離が近くて、歩くだけで気持ちがいい場所です。
いつもびわ湖が見守ってくれている気がするし、人もみんな温かくて親切。
観光地すぎない日常の風景があって、
“本当の日本の姿が見える”ことが面白いと思います。
ここには、古くから続くお店が多いので、歴史を絶やさないように
観光で応援したいと思っています。
サイクリング、和菓子など大津百町らしさを盛り込んだイベントも
たくさん企画していますので、ぜひ遊びに来てくださいね。」